小郡市市議会議員 たしろ和誠 公式ホームページ

将とは智・信・仁・勇・厳なり。【「孫子」始計篇】
 指導者として具備すべき資質は才智、誠信、仁慈、勇敢、威厳の5つであると孫子は言いました。
私は五つの徳を理念に掲げております。


1.才智

 才智とは豊富な知識を持ち、物事の道理をよくわきまえ、優れた処理能力と的確な判断が下せる能力です。
 人を御すための一つの方法は、相手を上回る知識を有することです。
 政治の知識はもちろん、政治の知識であっても、経済、時事、さまざまな知識を有することが、皆の信頼、尊敬を得ることにつなばります。

2.誠信

 誠信とは、あざむかないこと、いつわらないこと、忠実なことです。
 孫子と同時代の人に孔子がいます。孔子から始まる儒家思想は「五常の徳」として仁・義・礼・智・信の五つの徳を説いています。このうちの仁と信は、将に必要なものとして孫子も取り上げました。

 信は人から信頼されることでもあり、仁・義・礼・智の四つを実践していくことで人は信を得ることができます。
 我々は生きていく上で必ず人と関わって生きています。ですから、信用、信頼がなければ生きていけません。人に優しく情けがあり、約束した事は必ず守り通し、信頼を決して裏切らず、受けた恩には必ず報いる態度のこと、これが誠信です。

 戦国時代の武将に上杉謙信がいます。彼は約束を必ず守る義将として有名です。
 いいことがあればおかげさま。悪いことがあれば身から出たさび。
 部下(子)の失敗は親(上司)のせい。自分の成功は皆のおかげなのです。


3.仁慈

 思いやり深く、人を慈しみ愛する心のことです。才知があっても、厳しいだけでは人は親しみなつくことはありません。
 人としての優しさ、思いやり、ぬくもり、といったものが無ければ人としての価値が無く、生きている資格が無いということです。
 常日頃は部下に厳しく指導していても、家族の病気や、子供の出産などで部下が長期休暇を申請した場合などには快く了承し、その間は部下の仕事を全てこなし、部下が復帰した時には溜まった仕事は無い状態で迎える、
部下を厳しく指導するのも、一日でも早く部下に育って欲しいと思えばこそ。

4.勇敢

 物事を恐れずに立ち向かう心です。
 論語に、「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉があります。この孔子の言葉を実践した人のひとりが石田三成です。

 石田三成は関が原の戦で敗者となった為に、勝者となった徳川家や、徳川家に媚を売るものなどにより江戸時代を通して悪し様に扱われることが多々あり、伝記物などでも「虎の威をかる狐」のように扱われているものすらあります。
 しかしその実像は、重用してくれた豊臣家の恩義に報いるために、小国の領主の身にすぎないにもかかわらず、大国を領し次の天下人として最有力の徳川家康に戦いを挑んだ清廉義勇の士です。徳川にとって石田はまさに蟷螂の斧。それでも互角に戦いをなし得たのは三成に器量があり、「義を見てせざるは勇なきなり」の信念を貫き通したところに義勇が生まれ、大谷刑部などの武将から協力を得ることができたためです。
 義をまっとうするために、圧倒的に強い相手に戦いを挑むところに、石田三成の戦国武将としてのさわやかさがあります。
 部下の提案の用件が上役の採決を仰がねばならない場合、上司としては、部下の提案を了承する前に上役と詰めなければなりません。また、ひとたび部下の提案を了承した後は、その責任は了承した上司にあります。管理職である以上、自分が了承した案件については、たとえその後に上役から反対意見が出ても、たとえその上役が経営トップであっても、恐れず立ち向かい、徹底的に意見交換をする。
 また、上役と意見交換した後、部下の提案に対する了承を翻さざるを得ない場合は、そのために発生する問題の解決は部下に押し付けず、自らの責任を持って解決する。このような勇ある上司に部下はついて来るのです。

5.威厳

 厳しく不正や誤りを許さない姿勢です。
 決まりに背いたものを厳しく罰する例として、中国三国志で有名な曹操の話が有名です。
将すなわち指導者に厳が無ければ兵士すなわち部下はどうなるか、孫子は言います。